寝ない人は成功しない【成功の鍵は睡眠】

ライフハック
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1日18時間・週7日労働の代償

『ハフィントン・ポスト』の設立者アリアナ・ハフィントンは2011年、『タイム』誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」に選ばれました。
だが、そこまで達するにはたいへんな苦労があった。
彼女は自身のキャリアを前進させるために睡眠を犠牲にし、その代償を払わされた。

アリアナは自宅のオフィスで働いていたときに意識を失った。倒れざまにデスクの角で頭を打ち、頬骨を骨折、目を切る怪我をした。
卒倒の原因となった医学上の問題を見つけようとしたが、特別なものはなく、疲労と睡眠不足だった。

彼女はそれまでの生き方と成功の定義を見直すこととなった。
2年前に設立したハフィントン・ポスト社は驚異的なペースで成長をし、事業を軌道に乗せるために、1日18時間、週7で働いていた。傍から見れば大成功しているようだ。

しかし、これが本当に「成功」というものなのか自問しはじめた。
ほとんどの人が成功を「富」と「権力」によって定義しているが、この2つの測定基準だけで成功を定義するのは脚が2本しかない椅子に座ろうとするようなものだ。

彼女はそれ以後、生き方をいろいろな面で変えた。
特に睡眠習慣がそうだ。その結果、キャリアを減速させるどころか、若返って新たなレベルの成功に達した。

自分がこれほどの成功を収めているのは毎日7〜9時間寝て、瞑想、ウォーキング、ヨガをしているからだと彼女は考えている。成功のために幸福を犠牲にする必要はない。幸福を優先することで成功できるのだ。


良質の睡眠が幸福と成功をもたらす

120万人の睡眠習慣を数年にわたって分析した画期的な研究を紹介しよう。
睡眠時間のわずかな違いと寿命を関連づけるのに十分なデータを集めた、最初にして唯一の研究だ。
あまりに広範囲にわたっていたので、統計学者はどこから手をつければよいかわからなかったほどだ。あらゆる角度からデータを分析するには、現代のコンピュータ技術の発達を待たねばならなかった。だがついに、実験に参加した人に関しては、睡眠時間が6時間半の人のほうが8時間の人より長生きであることが判明した。

「6時間半眠れば長生きできる」という結論に飛びつきたくなるが、健康な人は必要な睡眠時間が短いというだけかもしれない。睡眠の質が良ければ短時間しか必要ないということもあるだろう。


睡眠パターンを決めるサーカディアン・リズム

臨床心理士のマイケル・ブルース博士のある実験で睡眠障害の患者を調べたところ入眠と覚醒の時間が間違っている人は要するに不眠症ではなかったということがわかった。
6時間半〜7時間半、自然に眠れるのだが、就寝時間が早すぎたり遅すぎたりして身体がそのスケジュールに同調できなかったのだ。

ブルース博士は、身体の自然な「サーカディアン・リズム」(概日リズム)、つまり脳の入眠・覚醒サイクルに合わせて眠り、目覚められる人は、きびきび動いて生産的になれると確信していた。

博士はスケジュールを変えるだけで睡眠が改善されると確信していたので、患者たちの上司に電話して、始業と終業の時間を遅らせて生産性が向上するかどうかを確認してほしいと要請した。そのとおりに勤務時間をずらしたら、働いている時間の長さは変わらないのに睡眠時間が増えて生産性がたしかに上昇したのだった。その結果は上司たちを驚かせた。


あなたは「4つのクロノタイプ」のどれか?

この研究を通じてブルース博士は、人間には4つのクロノタイプ──生まれつきのサーカディアン・リズムの傾向──が存在することを発見した。

クマ──太陽とともに働く堅実タイプ人気抜群のクロノタイプだ。

人類の50%がクマである。その入眠・覚醒パターンは太陽に従っていて、一般には睡眠困難を起こさない。努力を要する作業をこなす準備が午前中に最も整っていて、午後の中ごろにややエネルギーの低下を感じる。

ライオン──夜明け前に起きる働き者

日が昇る前にベッドから飛び起きる頑張り屋だ。昼食の少し前、最も生産的な時間がすでに過ぎたあとでも、コーヒーカップに手を伸ばすことさえしないかもしれない。朝にたくさん活動するせいで、夕方から夜にかけて尻すぼみになり、早く眠りに就く傾向がある。人口の15%を占めている。

オオカミ──夜とともに働き始める

オオカミは4つのクロノタイプの中で最も夜型だ。一日の始まりが遅く、生産性の波に乗るのは世間が寝静まるころだ。興味深いことに、オオカミには生産性のピークが2つある。ひとつはいま述べた深夜、もうひとつは正午から午後2時ごろにかけてだ。
オオカミはクリエイター、作家や芸術家やプログラマーに向いている。脳の創造的な部位は日が沈んだときに点灯する。内向性の傾向が少なからずあって、独りになる時間を欲しがっている。

イルカ──寝つけない完璧主義者

イルカは不眠症患者だ。決まった睡眠ルーティンの有無は不明ながら、性格はタイプAで、日中にしたいことを終えられないことが多々ある。眠りが浅く、夜中にしばしば目覚め、ふたたび寝入るのに苦労する。
彼らが最高に良い仕事をするのは、午前の半ばから午後の早い時間までだ。


日中に「太陽光」を浴びることで夜よく眠れるワケ

日光に照らされると、身体が「幸せホルモン」として知られる神経伝達物質のセロトニンを生成する。このセロトニンが分解されて、睡眠を助けるホルモンであるメラトニンを生成する。

日中に十分な自然の太陽光を浴びなかったら、夜ぐっすり眠るのに十分なメラトニンを生成できない。これでは、たとえ自分のクロノタイプにとって理想的なスケジュールに従っていても、サーカディアン・リズムが台なしにされる。オフィスの窓、車のウィンドウ、コンタクトレンズ、サングラスも、体内時計の制御に必要不可欠なスペクトルの光をブロックしてしまうから、毎日数回、短くても1回に数分は外に出ることが大切だ。


まとめ

一日のスケジュールを自分に有利になるように変更し、生物学的に好ましい時間にものごとをするように工夫しよう。

日中、太陽光をたっぷり浴びよう。夜には人工光をすべてブロックし、劇的に改善された良質で効率的な睡眠を経験しよう。

夜8時以降にものを食べないこと!


参考書籍紹介


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